• 6AK5/5654,ECC85/6AQ8,6CG7/6FQ7/6CG7,EL34/6CA7/KT77 Vacuum Tube Rolling Guide

RCA JAN 6AK5W

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 画像では解り難いけれど、左右の球で構造が異なる。 1本がGE JAN 5654Wのrelabeledで、もう1本がPhilipsECG(Sylvania)JAN 5654Wのrelabeled。 左右の構造が違うにもかかわらず、2本セットで売られていた。


GE JAN 5654W

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 中域が張り出していて、高域が埋もれるものの、ボーカル帯の肌理が整っており、暖色で滑らかな感じが出る。 全域を通じて色味が濃いが、響きを伴う高域の伸びはあまり感じられない。 サウンドステージがやや狭く感じられる。 逆に言うと、ボーカルが近い。


Shuguang 6J1

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 すっきりとした音色だが他の6AK5Wよりも音素が柔らかく、エコー感がある。 一方でその他の6AK5Wよりももやっとしていると感じるかも。 適度な艶と空気感を持ち、中庸でバランスが良く聴き易い球。


PhilipsECG JAN 5654W

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 高域が少し埋もれる分、中域がフォーカスされ前に出る為、ボーカル帯が良く聴こえる。 音素の拡がりにやや劣るが、暖かい色が乗り中域の密度感は良好。 構造は異なるが、GE JAN 5654Wに似た傾向がある様に感じる。 そして、GE JAN 5654Wよりも僅かにざらつきがある。


TESLA 6F32

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 中低域が太く濃さがあり、全体を通じて余韻が多めで、伸びのある色香を含んだ音色。 解像が少し甘いが、ボーカルのリアリティに優れる。 Dゲッターを持つ非常に作りの美しい真空管。


USSR 6J1P

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 解像度良好。 音色はやや薄めだが、適度な拡がりを持ち見通しが良く透明感がある。 低域から高域までのバランスに優れ、中庸でいて高音質なので、使い勝手が良い。 しかしながら、発振し易い傾向を持つ。 ガラス部分に縦溝を持つのが特徴的。


USSR 6J1P-EV

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 USSR 6J1Pの高信頼、ロングライフ版で解像度良好。 音色はやや薄めだが、適度な拡がりを持ち、見通しが良く透明感がある。 低域から高域までのバランスに優れ、中庸でいて高音質なので、使い勝手が良い。 また、無印のUSSR 6J1Pよりも発振が幾分抑えられている。 なお、縦溝の存在しない1973年Voshkod製造のUSSR 6J1P-EV(左側2本)は、全く発振しないので、縦溝が発振の原因と思われる。 ※使用する真空管アンプやヘッドホンアンプの種類によっては、発振しない場合もあります。 非常に安価で、送料を含めないのであれば、1球1ドル以下で購入でき、コストパフォーマンスにも優れる。 海外の真空管ヘッドホンレビューサイトで大変評判の良い球。


AEG 6AK5W

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 すっきりとした清涼さがあり、寒色系の音色。 瞬発力と押し出し感に優れ、音素の輪郭が明確でエッジが強め。 やや腰高で高域の響きが多いので、五月蝿く感じる人もいると思われる。 前後の奥行き感が良好で、サウンドステージが広い。 ボトムにダイヤ<>マークあり。

Mullard CV4010

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 重心を落とした暖色で僅かにまったり感のある音色。 高域の主張は控えめで、中域から低域にかけて、甘さと艶を含んだ妖しい空気を纏う。


Shuguang 6N1

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 最初から付属していた球で、現在も生産されている現行球。 中庸な音色だが、音素がやや軽く、高域が少しヒステリック。 vintage管の方が総じて透明感と力感が高い為、劣っている様に感じられるが、1つのキャラクターと考えれば、そう悪くは無い。


USSR 6N1P-EV

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 旧ソ連の軍用球で、6N1Pの高信頼、ロングライフ版。 S/Nが良く、瞬発力に優れ、低域の量感はまずまずだがキレがある。 ワイドレンジで高域に響きがあって伸びやか。 透明感のある音色。 安価だが、手にしておいて損の無い球。


USSR 6N1P-EV-OC

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 構造がUSSR 6N1P-EVと同一で、音質も差異を認められない。 USSR 6N1P-EVのレビューについては、上記記載のとおり。 6N1P-EVはECC85/6AQ8と微妙に規格が異なる為、音色や音質の違いが解かり易い。 Telefunken、Mullard、Philips、Siemens等のECC85/6AQ8には無い魅力があり、個人的に6N1P-EVは、ロシアの銘球の一つだと思っている。 現在、6N1P-EVは安価で販売されており、購入にも困らないが、やがて枯渇してしまうだろう。 6N1Pでは換えられないものをこの球は持っているから。


RFT ECC85

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 USSR 6N1P-EVと比較すると、高域の抜けがいまいちで、幾分詰まった感じがする。 響きがあり、中域が少し張り出す。 その分、僅かに色味を帯びた様に感じる。 他のvintage管と比べると、少しだけ解像度が低く感じるが、コストパフォーマンスが高く、おすすめできる球。


RFT ECC865

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 ECC85(6AQ8)の高信頼管でロングライフ。 低ノイズで音素が繊細な為、高解像でかつサウンドステージに奥行き感が生まれる。 ただし、ピンが金メッキされている為、良い意味でも悪い意味でもその特徴が音色に出てしまい、高域の伸びが少し減退気味で柔らかい音色になる。 金メッキならではの他とは少し違った音色を楽しめる真空管。


Siemens ECC85

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 明る過ぎず暗過ぎないきっちりとした優等生の音色。 クリアで見通しが良く、低域から高域にかけて満遍なく出ており、かつそのバランスが良好。 なお、2つのグレープレートを遮断するように中央に銀色に輝く金属シールドが存在するタイプは、低ノイズで低域の沈み込みが深く、解像度良好で高域に煌きがある。 中庸な音色で、安定感があり、使い易い。


Valvo ECC85 / Philips Miniwatt ECC85

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 音素が砂の様にさらさらしていて、柔らか味があり、繊細で輝きがある一方で、影の表現も巧い。 解像度が格段に優れており、高域に金属的な響きが乗る。 中域は少しだけ甘く、女性ボーカルが艶っぽい。 低域のグリップに優れ、沈み込みが深い。 無音時の静寂感が素晴らしく良く、かつ消えゆく音がどこまでも残る。 ただし、音素の拡がりがUSSR 6N1P-EVやSiemens ECC85より少し劣っている。 この球はあらゆる面で他より優れている様に感じたので、後日、追加購入した。 なお、2つのグレープレートを遮断するように中央に銀色に輝く金属シールドが存在するのも特徴。


Telefunken ECC85

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 Siemens ECC85の金属シールドを持つタイプでも十分にクリアだったが、それ以上にクリア。圧倒的な見晴らしの良さを持ち、中高域に新芽の柔らかみと甘さがある。サウンドステージが広く、ふわっとした空気感を持っていて、かつ繊細。Telefunken ECC85がフレッシュな果実なら、Valvo ECC85 dimpled disk getterは甘く芳醇なジャムの様な音色である。 画像はSimens logoのTelefunken ECC85、ボトムに <> マーク有り。


Mullard ECC85

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 音色が濃いめで、中域の押し出し感に優れボーカル帯が少しだけ甘い。 低域が力強く幾分太め。 音素は繊細だがややざらつきを感じる。 しかしながら、粒立ちが良く聴いていて心地良い。 また、サウンドステージの前後に深みを感じ、ホログラフィックな傾向を持つ。 高域の抜けや金属的な響き、静寂感は、Philips Heerlen製のdimpled disk getterに分がある様に感じるが、エレキギターやビンテージシンセの音色はMullard Blackburnの方がらしく聴こえる。


NEC 6FQ7

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 中域がフォーカスされたややメロウな傾向の音色。 音素に濃さがあり、少しだけふわっとした空気感も持つ。ノイズが聴こえる訳では無いが、6GU7と比べるとざわついている感じがする。


RCA 6GU7

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 中域がフォーカスされた幾分甘い傾向の音色。 音素に濃さがあり、低域が力強い。 ボーカルが前に出る。 NEC 6FQ7よりもノイズレスで解像度が高く、メリハリがある。 シールドを持たないことが絶対的な性能差とはならないと言わしめる様な静けさがある。


Raytheon 6GU7

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 管壁にmade in japanの記載あり。 国内メーカーのOEM品と思われる。 RCA 6GU7よりも少しだけ線が細くすっきりとした伸びやかな音色。 中域がフォーカスされた幾分甘い傾向。 音素に濃さがあり、低域が力強い。 こちらもボーカルが前に出る。 今回比較した6FQ7、6GU7の中で最も分離が良くノイズレス。


Sylvania 6GU7

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 中域がフォーカスされたお砂糖多めなスウィートな音色。 比較した6FQ7、6GU7の中で最も甘い。 音素に濃さがあり、低域が力強い。 ボーカルが前に出る 。


Electro Harmonix 6CA7EH

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 低域に量感があり、躍動感がある。 中域は柔らかくスムーズで滑らか。 高域は繊細だが、やや音素が軽い。 全域を通じて、ほのかに甘く、暖色。 解像度が高くサウンドステージが広い。 見通しの良さに優れる分、ボーカルとは少し距離を感じる。 Philips 6CA7を模しているらしい。

Mullard EL34 reissue

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 ロシアで生産されている現行生産品のMullard EL34で、NEW Mullardとも呼ばれる。 中域にフォーカスされた色彩の濃さと甘さを持った暖色の音色。 Electro Harmonix 6CA7EHは音素が柔らかい分、少しもやっとしたものを感じるが、Mullard EL34 reissueはクリアでスムーズである。 しかしながら、ボーカルが近い為、サウンドステージの拡がりがElectro Harmonix 6CA7EHに劣る。 S/Nが良好で静か。 Mullard EL34 XF2を模しているらしい。

JJ KT77

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 高域が伸びやかで柔らかい空気を含む。 瑞々しい音色で、優しさがある。 透明感があり、どちらかと言うと寒色。 低域は量感に欠けるがキレがあり、印象は良い。 ボーカルは近い方で、サウンドステージの拡がりは、Electro Harmonix 6CA7EHに劣る。 Mullard EL34 reissueよりもメリハリを感じる音色。 GEC KT77を模しているらしい。

Shuguang EL34

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Yaqinの真空管アンプに付属していた球。 適度に柔らかく、繊細さも持ち合わせているが、静けさの表現がいまいち。 もしかするとMatched Quadで無かったのかも知れない。 やや中域にフォーカスされた中庸な音色。 色付けは少なくすっきりとしている。 他に比べると安価だが、悪くない球。


Svetlana EL34

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 ボーカルが前に出る爽やかな音色。 中低域にフォーカスされた音色付けだが、全体を通じて中庸な印象。 Tung-sol EL34と比較すると解像度が少し甘い。 個人的には、Shuguang EL34に音色の温度感が似ていると感じる。


Tung-sol EL34

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 高解像でS/Nが良く静か。 音素の粒立ちが抜群で、響きが多い分、サウンドステージに奥行き間が生まれる。 高域にクリスタルの鉱質感がある。 金属のひんやりとした温度感を覚えるクールな音色。 Svetlana EL34よりもほんの僅かにボーカルと距離を感じる。 真空管エレキギターアンプユーザの間で大変評判の良いEL34。 オーディオ用途でも品位の高い音色。